TとDの発音、日韓中英米の比較

先日の音声学セミナー。TとDについて音識別の境界が違うとして、こんな話があった。上から下にスペクトラムのように並べていくと、


1)有声無気音(日本語の「ダ」)


~日本語の「ダ」と「タ」境界~


2)無声無気音(日本語の「タ」)

~中韓国語の「ダ」と「タ」境界~


3)無声有気音(Tの後に息あり)


そして、日本語の「ダ」は舌が付いているうちに声帯が振動するという説明がありました。舌が付いているうちは息が流れのないので、声帯の振動しようがないはずですが、鼻から抜く、頬をふくらますなどすれば、少し息が流れます。


日と中韓の違いは「タ」と「ダ」の境界の程度問題だと思います。すなわち、日本語は舌の破裂後に少しでも息が入ると、「タ」と判定するのに対し、中韓はある程度はっきり息が入ると初めて、「タ」と判定するということです。


さてここで、英米のTと比較してどうなのか、ということですが、語頭のTについてずばり並べてみます。

日<米<英<中韓 
(破裂後の息の時間の短い順)

日<米、米<英は明らか。そして英<中韓も恐らくこの順ではないでしょうか。なぜなら英も息の時間が目立つほどあるものの、中韓のように間延びした感じがあるほどは長くはないからです。ただし、研究論文で確認する必要があります。


なお、米語で母音に挟まれたTの場合には、日本語のT以上に息の時間が短くなり、というか、息の時間がなくなり、有声音になります。例としては、bitterがbidderに近い発音になります。


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