英語の呼吸をつかむ
狂言のワークショップに参加したことがあります。(講師はマスコミをよく騒がせた人の妹さんでした)その時に4、5人で能の舞台に出て行って横並びになり、同時に座り、礼をして、同時に立ち上がり、退場するというのを練習しました。
面白かったのは、この「同時に」座り、「同時に」立ち上がりをぴったり「同時に」する方法。プールでやるシンクロのように音楽は流れていません。皆さんならどうしますか。答えは、比喩的な意味でなく、文字通りの意味で「皆で息を合わせる」です。参加者同士でお互いの呼吸を感じ合い、シンクロさせるのです。すると、不思議なことに座ったり、立ち上がったりという動作までシンクロさせることができました。なるほど、これが「息を合わせる」ということか、とつくづく関心しました。
さて英語です。
日本語の場合は普通にやっていることですが、英語の場合は意識的にやる必要があること。それは話し手の呼吸を感じること。英語の呼吸をつかむということです。そうすることによってリスニングもスピーキングもアップします。なぜなら呼吸をつかむことは、すべてをつかむことだから。
まず、その第一歩として話の流れが止まるところを捕まえます。その一つは息継ぎ(息を吸う音が聞こえたり、息を吸う様子が見えたりします)。もう一つは息継ぎなしで止まるところ。(NHK出版の「アナウンスセミナー」にある「切る切らず」というテクニックに相当)
それができたら次に話し手の呼吸全般を感じます。すると、不思議ですが、話の流れに乗りやすくなります。例えば、話し手の息継ぎが遅れて息が足りなくなって声が小さくなっても驚きません。また話し手の感情が変わって、呼吸が変わって、音が変わる場合にも聞き手として自然に対応できます。
モーター理論というのがあります。聞き手は聞いた音を、その音を出すのに必要な口や舌の動きに置き換えることでその音を認識するという理論です。英語の呼吸をつかめば、この理論の対象を口や舌から上半身全体に広げることになるのかもしれません。
英語の呼吸をつかもう。キラッ★
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